右側通行と左側通行。

確かに国によって違うし、「外車は左ハンドルだから、海外は右側通行なのかな?」みたいなイメージありますよね。
実際は右ハンドルの外車も沢山ありますが。

この右側左側のルール。
世界はどうなっていて、どんな理由があったのか。

色々調べてみました!

世界はどっち側通行?

まずはこちらの世界地図をみてください。
赤色の地域が右側通行、青色が左側通行を採用しています。

左側通行の国と右側通行の国
赤:右側通行の地域 青:左側通行の地域

引用元:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E9%9D%A2%E4%BA%A4%E9%80%9A

圧倒的に右側通行の地域が多いですね。
実際に人口比率で見ると、大体1/3が左側、2/3が右側通行みたいです。
南極大陸にも右側通行のルールがあることに驚きました。そもそも、道あるの?

もともと世界は左側通行?

現在は右側通行を採用している国や地域が多いですが、昔は世界の多くで左側通行が多かったみたいです。
3000年くらい昔の古代ローマの遺跡で、荷車の轍を専門家が調べた結果、左側通行だった最古のエビデンスになったとか。

左側通行は人間にとって自然なこと?

左側通行になった理由として、「右利きにとって自然だから」という説が有力のようです。
紀元前とかそういったレベルを超えて、3万年くらい前から9割の人間は右利きだったそうです。
逆に、いつまで経っても左利きが滅びないのが面白いですよね。遺伝子の生き残り戦略の一つなのでしょうか?

それはさておき、昔はいつ悪い人間や獣に襲われるかわからないし、常に警戒しながら外を歩く必要がありました。今みたいに「歩きスマホ」なんてやってたら確実に死ぬ世界です。(言い過ぎ?)
道に対して左側を通行するということは、自分の右側つまり利き手側を広く取るということです。
右側に敵がいた方が戦いやすいということですね。
だから、防衛本能的にも右利きの人間は左側を通行したかったのです。

どうして右側通行が増えたのか?

全部ナポレオンのせい

世界に右側通行を広めたのは、ナポレオンと言われています。
間違いなく史上最大の交通インフラ整備です。
当時イケイケのナポレオンは、欧州大陸をはじめフランスの勢力を拡大し、世界中の植民地なども右側通行にしていきます。
ナポレオンが、フランス国内外で右側通行をルール化する法令を作ったという記録もあるようです。

先ほどの世界地図を見ていただくとわかるように(世界史に無知な自分にはわかりませんが)、逆にフランスが征服できなかったイギリスや、その植民地は左側通行のままが多いです。

でもナポレオンは何で「右側通行」がよかったのでしょうか?
これに関して諸説あるのですが、全部合ってるかも知れないし、そうでないかも知れないけど、紹介します。

①ナポレオンが左利きだから

右利きが生活しやすいように左側通行があるのであれば、左利きのナポレオンにとっては面白くないですよね。右から敵が来た時に左手の剣で戦うのは不利ですし。そのため世界を、たった1割の左利きフレンドリーに変えてしまうのは、さすがナポレオンです。

ついでに左利きについても調べてみると、結構面白そうな話出てきそうでした。
今回は脱線するので割愛。

②銃が普及したから

片手持ちのピストルでなく、両手持ちの長い銃を想像してみてください。
銃を構える時、右利きの人は体を正面よりも右側に向けて構えますよね。
つまり上半身を左側に向ける必要があり、そうなると右側通行の方が左側の敵に反応しやすいというメリットがあります。
刀から銃へと武器が変化し、敵との適切な位置関係も変わっていったということでしょうか。

③ナポレオンの戦術的な理由

ナポレオンは戦争において、敵陣の通常弱い左から攻める戦術を取っていたようで、軍事訓練でも元々右側通行させていたとか。
それを世界中で行いやすいように、右側通行にルールかしていったという説です。

日本はなぜ左側通行?

日本も世界同様に、右利きが多いからという理由で最初は何となく左側通行だったのだと思います。
文献によると、まだ自動車もない江戸時代に、左側通行がルール化されていた記録があるそうです。

揉め事を減らすため

昔の武士は腰に刀を下げて歩いていました。
本人から見て左側に刺して、刀の先端は左側に飛び出しますよね。
当時、特に街の道は狭かったらしく、右側通行だった場合、武士がすれ違うとお互いの刀の先端がぶつかります。これが原因で揉め事になることが、結構あったみたいです。そのための対策として左側通行をルール化したんだとか。
確かにこれも理にかなってますよね。

武士には左側通行が良かった

第二次世界大戦後に右側通行にならなかったのは?

フランスの事例を考えると、敗戦国は敵国のルールに従う感じなので、日本も右側通行になってもおかしくなかったかも知れません。
けど公用語は日本語のままだし、通行も左側のままでした。
敗戦時の日本はすでに自動車もあったし、インフラをガラッと変えるのは大変過ぎたから変えなかったんじゃないかと思います。
バスとか、乗降車扉が全部左側についてるのに、急に右側通行っていわれたらもうそのバス使えないですからね。

左から右にルールが変わると?

日本はルールが変わらなくて良かったのですが、変わった国もあります。
スウェーデンでは1967年に左側から右側通行にルールが変わったみたいです。日本の終戦よりもあとなので、インフラもかなりできてるところからの変更です。

ルールが変わった日、街はどうなったのでしょうか。






スウェーデン 右側通行
左側通行から右側通行へ変わった日
スウェーデン 右側通行
左側通行から右側通行へ変わった日

はい、カオス

【総括】

本来は左側通行(日本と同じ)が自然。
ナポレオンの利き手や軍事的な都合で右側通行が普及。
ある程度インフラが整ってくると、途中からルール変えるのは困難。スウェーデンが体張って教えてくれました。