税金

はじめに

会社を急に辞めると収入は無くなりますが、これまで給与から控除されていた保険料や税金など、どうなるんでしょうか。
この辺を知っておくことで会社を辞める際、どのくらいの貯金があればいつまで生活できるのか、見通しが立てやすくなります。

また、「退職後○日以内に手続きが必要」といったものも存在しますので、この辺りを整理しました。

雇用保険

まずは、失業給付が受け取れる状態を整えておくことがおすすめです。
万が一就職したくてもできない場合など、給付があることで不安を減らして求職活動を行うことができます。
退職後、従業員を雇ったりせず、家族のみや、自身で自営業を行う分には雇用保険に加入する必要はありません。

退職前にしておくこと

雇用保険被保険者証を会社から受け取っておく(紛失していたら会社を通じて再交付を受ける)
離職票の受け取り方法を会社に確認する(離職後に受け取れる)

離職後の流れ

①10日以内に会社が手続き
「雇用保険被保険者資格喪失届」、「雇用保険被保険者離職証明書」を会社がハローワークに提出します。

②ハローワークが交付
会社の所在地を管轄するハローワークが、離職票などを会社を通じて発行します。

③会社から退職者へ
会社から離職票が本人に渡されます。
この際、被保険者番号、被保険者となった年月日、離職年月日、賃金支払い状況の金額、離職理由などを良く確認しておきましょう。

④ハローワークへ
ハローワークで求職の申し込みを行うことで、一定期間経っても失業状態であれば、失業給付を受けることができます。
他に仕事をしていたり、収入がなくても会社役員に就任していたり、条件にこだわりすぎて就職できないなど、給付を受けられない条件が結構あります。
自己都合で会社を辞めると最初の受け取りまで4ヶ月かかります。
また、受け取れる金額も少ないので、働けるのに失業給付目当てで働かないのはコスパが良くないと思います。

健康保険

退職前にしておくこと

1)健康保険被保険者証を勤務している会社へ返却する
2)社会保険資格喪失等確認通知書の交付を会社に依頼する
3)退職後の加入健康保険を決めておく

どこの健康保険に加入するか選択する

これが一番重要です。
日本においては絶対にどれかに加入する必要があります。
つまり保険料は必ず支払います。
選ぶ基準は保険料率や、加入健康保険ごとのサービス内容になります。
加入先の選択肢としては大きく3つあります。

①国民健康保険に加入する

国民健康保険、いわゆる「国保」に加入します。

離職日の翌日から14日以内
市区町村役場の国民健康保険課へ行き、国民健康保険の加入手続きを行います。
国民健康保険被保険者資格取得届を書いて提出します。

加入に際して必要なものは、「印鑑」と「健康保険資格喪失等確認通知書」(健康保険をいつ辞めたかの証明)ですが、自治体によっては「離職票」や「健康保険被保険者資格喪失証明書」で健康保険をいつ辞めたかの証明になるようです。

加入から約一週間後
市区町村から保険証が送られてきます。自治体によっては即日交付の場合もあるようです。

加入から1〜2か月後
国民健康保険料の納付書が送られてきます。

※保険証が届くまでの間医療機関に行く場合は?
加入手続きをする際に「連絡票」が渡され、これを病院などで保険証代わりに使用できます。

※国保の保険料ってどのくらい?
自治体や本人の年齢、家族構成、所得などによって異なります。
全員が一律で支払う金額と、所得に応じて一定割合支払う金額の合算がその人の保険料となります。自治体によっては世帯で一律支払うものもあります。

例として、以下のような金額です。(2例とも渋谷区在住前提)

Aさん)
35歳、独身(扶養なし)、年収850万
→月額6万弱

Bさん)
30歳、独身(扶養なし)、年収500万
→月額2万程度

②健康保険の任意継続

今まで会社で加入していた健保に、2年間を限度に継続して加入することができます。
注意点としてはこれまで企業が半額負担してくれていたものがなくなるので、これまでの2倍の金額を支払います。ただ、健保ごとに補助制度など独自のサービスがあるので、国保に加入する場合よりも有利な場合もあります。料率など様々な要素で、総合的に判断します。

離職日の翌日から20日以内
会社が組合健保に加入している場合はその健保で、それ以外の場合は本人の住所地の協会けんぽか年金事務所の協会けんぽ窓口にて、任意継続の加入手続きを行います。
以降は毎月10日までに保険料を支払います。
一度でも滞納すると任意継続の資格を取り消されることがあるので、滞納には気をつけましょう。

加入に際して必要なものは、「印鑑」、「健康保険任意継続被保険者資格取得申請書」、「健康保険被扶養者届(被扶養者がいる場合)および非課税証明書等の書類(必要に応じて)」となっています。

③配偶者などの健康保険の被扶養者となる

配偶者など家族が勤めている会社の、健康保険に被扶養者になります。
認定要件としては、実際に扶養されており、被扶養者の年収が130万円(60歳以上は180万円)未満かつ、同居の扶養者の収入の半分未満などの条件があります。

離職後5日以内
配偶者など、被保険者が勤務する会社を通じて手続きを行います。
手続きに必要なものは、「被扶養者(異動)届」、「所得証明の書類」になります。

年金

退職前にしておくこと

年金手帳持ってるかの確認
自分で持ってる→OK
会社が持ってる→返してもらう
無くした→再発行

退職所得の申告書を提出
退職金が出る場合のみ。
「退職所得の受給に関する申告書」をあらかじめ会社に提出しておくことで、諸々計算して源泉徴収を行ってくれるが、提出しないと多く所得税が引かれます。
確定申告すれば多く払った分は戻るが、きっと面倒です。

年金は空白期間を作らない

国民年金の被保険者で、滞納している空白期間があると、万が一の際に障害給付が受けられなかったり、将来にもらえるはずの年金額が減ってしまったりします。
そのため退職したらすぐに、第1号被保険者へ種別変更して保険料を納付しておく必要があります。第1号被保険者の国民年金保険料は月額16,410円です。

老齢基礎年金は65歳から受給しますが、10年以上の加入期間が必要で、満額もらうには40年の加入が必要となります。

前年の所得条件や、失業して支払いが困難などの条件によっては、申請により一部または全額免除になることもあります。その場合は未納扱いにはなりませんのでうまく活用しましょう。
詳細→日本年金機構

離職の翌日から14日以内
市町村役場の国民年金課で、国民年金の種別変更の届け出を行います。
しばらくすると年金事務所から、国民年金保険料の納付書が送られてきます。

住民税

退職前にしておくこと

特にありません

住民税は支払います

住民税は前年の所得に対してかかるものなので、急に無職・無収入になったとしても払わなければいけません。
何月に退職したかによって若干、納付のタイミングや金額が変わってきます。(総額は変わりません)

①1〜4月に退職した場合

前年度分の住民税が、給与から一括徴収されることになります。
給与からの徴収は楽ではありますが、一時的に大きな出費となるので、貯金のない方は注意しましょう。

②5月に退職した場合

通常通り1か月分が徴収されます。

③6〜12月に退職した場合

納期がまだの残額を、退職後に支払います。各市区町村から送付される通知書に従い納付を行います。市区町村によって支払い頻度が異なる場合があります。
また、給与や退職金から一括納付することもできますが、結構なまとまった金額になるので、貯金額等と相談して決めましょう。

【総括】

雇用保険→いらない
健康保険→国保へ加入手続き
年金→種別変更の手続き
住民税→手続き扶養

諸々めんどくさ過ぎです。

勝手に国民の口座管理して、勝手に引き落として欲しいです。(ミスない前提で)
煩雑なものはお金払っても専門家に任せるのがいいような気がしました。素人がちょっと調べても、ルールはわかるかもしれないが、自分の条件だと何が最適なのかはわかりません。
この辺、AI頑張って欲しいですね。